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CATEGORY:文化・歴史

2010年06月14日

「戦争のなかの京都」という本



先日、shimo-chanさんがコメントで紹介してくれていた「戦争のなかの京都」を読んだ。
会社へ行き帰りの電車の中、
ジュニア新書とあったので、内容もあっさりしたものかと読み出してみたところ、
そんな軽いものではなかった。

京都の地名や具体的な会社などがバンバン出てくる。
筆者のご家族をはじめ、戦争の中を必死で生き延びようとした人の姿が、実名を上げて克明に書かれていた。
戦前から戦中・戦後にかけての京都の風景が、実際に見たかのように浮かび上がった。
生前、親父が私に時々話してくれていた、その風景が甦ってきたのだ。

強制疎開や空襲があったことは知ってはいたけれど、その状況がいかに悲惨なものであったか、
それは驚きで、本を持ったまま電車の天井をしばらく見上げてしまった。
馬町や西陣の空襲のことしかり、堀川・御池・五条の他、多くの強制疎開のことしかり。
物資・金属供出のことしかり。さらに戦後の動乱のことしかり。
強制疎開のときのバタバタ…などと書いた自分を恥じた。
バタバタなどと、そんな生易しいものではなかった。

金属供出からは免れた仁丹看板だったけれど、生きるのがギリギリだった当時の人からすると、
看板のことなど、まったく眼中になかっただろう。
でも、そんな京都の町を仁丹看板は眺めてきたんだとも思うのだ。
だから尚更、ほんとうに堀川中之町の仁丹看板が、どこかに保管されていたらすごいことだ。

「戦争のなかの京都」
この本は、当時の京都を知ることのできる資料となる。
著者が、丹念に調べ歩いた足跡をたどることができるので、
今後も手元に残して、ことあるごとに開いてみたいと思う。






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Posted by ずんずん  at 01:35 │Comments(18)文化・歴史

COMMENT
>そんな軽いものではなかった。

そうでしょ。私も全く同じでした。
”幸い京都は戦災に遭わず”とか”龍馬が襲われたときの刀傷”などと,引用に引用を重ね,間違いもそのまま引用されるような安易な本が多く出ている中で,この本はまさに120%オリジナルといった感じでした。

私も一応京都で生まれ育った人間の端くれではありますが,よくもまぁこれだけ初めてのことを教えてくださったと感謝しました。編集部経由で筆者に感想文をお送りしようかと考えたほどでした。

今,目の前にある光景を説明するためにも,京都市の小中学校では歴史の副読本として採用して欲しいほどです。


>そんな京都の町を仁丹看板は眺めてきたんだとも思うのだ。

これまたそうなのです。仁丹の”じ”の字も出てこない本ですが,金属供出にも生き残って,ずっと京都の街を人を見てきた看板の偉大さに感動したのでした。
Posted by shimo-chan at 2010年06月16日 22:12
shimo-chanさん、コメントいただきありがとうございます。
本当に良い本を紹介していただきました。
ありがとうございました。
言われるように、京都市の小中学校で歴史の副読本として活用して欲しい一冊ですね。

小中学校に添うように児童公園があるのを、以前から気になっていたんですが、
この本を読んで合点がいきました。
それが、終戦間際の強制疎開の産物だったということ。
大江能楽堂の能舞台が取り壊しを免れ、強制疎開が幸いにも間に合わず、
よって、柳池中学校(現:御池中学校)の敷地に引っ付いた児童公園が無いということ。

戦争がもう半年・一年と長引いていれば、
京都の町並みや様相も、今とは大分と違ったものになっていたかもしれませんね。
Posted by ずんずん at 2010年06月17日 18:50
「戦争のなかの京都」の著者です。偶然このサイトをみつけました。
拙著を丁寧に読んでいただき、有難うございます。
仁丹看板が金属供出を免れて何故残ったのか、みなさまのご指摘により腑に落ちました。「琺瑯引きは除く」という規定を、私は機械的に引用しただけなのですが、仁丹看板という「生き証人」によってそれが実証されているのですね。
著者としては自分が書いたものが読者との応答によって膨らみを持っていくというのは嬉しいことです。
本書のからみでいくつか話をさせていただく機会がすでにありましたが、これからのものとしては、大学の公開講座(9月26日)があります。

http://admission.kyoto-seika.ac.jp/koukai/

これはどなたでもお聞きいただける場ですので、よろしければお越しください。
Posted by 窓からお猿 at 2010年07月16日 09:10
窓からお猿 様
私の拙い読書感想文に眼を通していただきありがとうございます。
著者からコメントを頂戴できるとは、今感動しております。
「戦争のなかの京都」については、記事中にも少々書いておりましたが、
仁丹看板つながりでコメントをちょくちょくいただくshimo-chanさんに教えていただき、書店で買い求めて読ませていただきました。
仁丹琺瑯看板が生き残れた訳を知ることが出来たのもありますが、小学校に隣接して、ほぼ必ず児童公園がある理由も理解できました。なのに、柳池中学(現:御池中)には、なぜ公園がなかったのかもわかりました。1~2日、終戦が遅れていたら、おそらく押小路通に面して公園があったのでしょう。
これからも、事あるごとにページをめくると思います。

さて、お知らせいただいた公開講座(9月26日)に、是非とも出席したいと思います。
その際は、宜しくお願い致します。
コメントをありがとうございました。
Posted by ずんずん at 2010年07月16日 12:16
窓からお猿 さんへ

筆者の方,直々のご参加,誠に光栄です。

>著者としては自分が書いたものが読者との応答によって膨らみを持っていくというのは嬉しいことです。

便利過ぎるネットはその裏腹に様々な問題を含んでいますが,ここは時間と場所を選ばないというネットの長所が生かされ”三人寄れば文殊の知恵”が実現できています。今回はさらに書籍まで加わって理想的な展開だなぁと感動しました。

仁丹看板の好きな人は,先ずその前提に京都が好きです。そして知りたいのです。特に目の前にある光景なのに,ちゃんと説明できないという抜け落ちていることを知りたいのです。
だから,私も「戦争の中の京都」を書店で見つけ,内容をパラパラ見て,こういうのが欲しかったのだとばかりに買い求めました。強制疎開のことも空襲のことも漠然と知らされ聞かされてきましたが,その事実だけであり,私としてはなんか釈然としていませんでした。

でも,この本でその時その場所にタイムスリップして見に連れて行かれたようでした。そして,やっぱりそんな生易しいことではなかったのだと強く感じました。

「はじめに」や帯には修学旅行生を対象にしているのかなという印象を最初は持ちましたが,読み進んでいくうちに京都の人こそ読まなければいけないと強く感じるようになりました。久々に出合った良書でした。色々と教えていただき本当にありがとうございました。

ところで,精華大学の講演会は私もぜひ受講させていただきたいと思っています。

それから,副産物として得られた仁丹の情報も何かございましたらぜひお聞かせください。今後ともよろしくお願いします。
Posted by shimo-chan at 2010年07月19日 08:38
「強制疎開のことも空襲のことも漠然と知らされ聞かされてきましたが,その事実だけであり,私としてはなんか釈然としていませんでした。」

私もまさにそこから出発して、自分の身の回りを起点に少しずつ調べを進めていきました。最初は断片的な情報でも、イモズル式に資料がみつかり徐々に輪郭が明らかになっていく場合がありますね。モノにならないケースも多いですが。
それから、いろいろな人たちとの出会いによって事態が進展するということが多々ありました。あげたらきりがありませんが、例えば大江能楽堂にも最初は「飛び込み」のようなアプローチだったのですが奥様にたいへん丁寧に対応していただき、貴重な資料を提供していただけました。大江能楽堂のエピソードを入れられたおかげで、第4次建物疎開の項がふくらみを持ち、読者にも具体的イメージを持ってもらえたのでないかと思います。
こういう出会いの原動力になるのが「知りたい」という願望だと思います。私は学生に「勉強というのは自分のことを知りたいからするのだ」と言います。自分の外から出発したのでは、わからなくなったとき迷ってしまいますが、自分の内から出発していればわからなくなったらまた自分に戻ればいいのです。
皆さまの「京都が好き」「京都を知りたい」という原点は、まさに知への出発点だと思います。
Posted by 窓からお猿 at 2010年07月19日 09:19
窓からお猿 様

必殺技のイモズル式で資料を見つけて、興味も広がり、仕舞いには道を見失うことがしばしばです。今までは、興味に任せて広げに広げてしまっていましたが、その繰り返しでは形にならないばかりなので、最近は少々反省しています。
何かと複雑で物騒な世の中になり、大胆と思われがちな「飛び込み」という手法ですが、とても大切なアプローチですね。自分がここまで至った経緯をお話すれば、相手にもその思いが伝わるようですね。突然の飛び込みということで、ご都合が悪い場合もありますが、あらためてお伺いをしたりしながら、それがきっかけでお付き合いがはじまることもありますね。
人の縁というものを感じる日々です。


shimo-chanさん、講演会また一緒に行きましょう。
おもしろい話おまた教えてください。
Posted by ずんずん at 2010年07月19日 15:25
遅ればせながら今、本をネットで発注したところです。
届くのが楽しみです。

後援会の報告も楽しみにしています。
Posted by 広島支部長 at 2010年08月06日 17:45
広島支部長。
先月はお疲れ様でした。ありがとうございました。
「戦争のなかの京都」発注されたんですね。
知ってるようで、まったく知らなかった戦争下の京都を、知ることができる本です。
私たちの世代は、直接は戦争を知らなくても、親がその時代を生きてきたので、その生々しい戦争体験をよく話して聞かせてくれましたから、間接的でもその凄まじさを感じてきました。
親父は、京都市内で旧制中学に通っていましたが、勤労動員や御所の警護隊(正確な名称は失念)もしていたようです。母は和歌山で尋常小学校でしたが、空襲で和歌山城が燃えてゆく姿を語って聞かせてくれたりしました。
今日は、広島原爆忌・広島平和記念日ですね。
もう一度、ページを開いて読み返してみようと思います。
Posted by ずんずん at 2010年08月06日 22:21
「戦争のなかの京都」ぼちぼち読んでいます。
特に建物疎開の話に興味あります。

うちの祖母と母は北朝鮮からの引き揚げ者。
壮絶話あります。
昨秋亡くなった義母は被爆者。
こちらももちろん強烈な話をしてくれたことありました。

たまたまですが今日、国立広島原爆死没者追悼平和記念館へ行って、登録されていた義母の写真を見てきたところです。
Posted by 広島支部長 at 2010年08月13日 00:08
広島支部長、もくもくと読んだはる姿が目に浮かびます。
そうですね、私達の世代は、実体験は無いけれど、
小さな頃から、その人たちの話を直に聞くことができましたから、
自分のことのように感じてしまうのかもしれないです。
やはり、毎年この季節になると、自然と手を合わせて、
平和と先祖に感謝する気持ちになります。

まだまだ残暑が厳しいですが、熱中症に気をつけてお過ごし下さい。
Posted by ずんずん at 2010年08月18日 13:40
9月26日の公開講座が近づいてきました。
詳しい情報を大学のホームページでごらんください。

http://admission.kyoto-seika.ac.jp/koukai/0926.html#nakanishi

コメントからのリンクは無理かもしれませんが・・・。
この日はオープンキャンパスの一環として公開講座が行われるので、
少し早目(昼前)にお越しいただければ学食での昼食クーポンがもらえます。結構おいしいですよ。
洛北岩倉散策をかねて、お気軽にお越しください。
アクセスは地下鉄国際会館駅前(2番出口の長いエスカレーターを上がって東へ100メートル)から出るシャトルバス(無料)が便利です。
Posted by 窓からお猿 at 2010年09月21日 21:42
窓からお猿様

いよいよ今度の日曜日ですね。

以前、7月の段階で「精華大学の講演会は私もぜひ受講させていただきたいと思っています」とコメントさせていただいたのですが、申し訳ございません!参加できなくなってしまいました。

先約の日程が二転三転してようやく決まったと安堵していたのですが、9月26日は京都にいないことになってしまいました。迂闊でした。

残念ですが、また同じような機会がありましたらよろしくお願いします。
Posted by shimo-chan at 2010年09月22日 22:01
窓からお猿 様

ご無沙汰しております。度々のお誘いありがとうございます。
講演を楽しみにしておりましたのですが、
実は、明日(26日)に予定が入ってしまい、お伺いできなくなってしまったのです。
といいますのも、京都市内のお祭に関わらせていただいていることから、
とある場所で、京都のお祭に関することを喋らせていただくことになりました。
私自身は、人前で喋ることはあまりありませんので、すでに緊張し始めておりますが、それもいい経験と考えてお受けした次第です。

今回、窓からお猿様にお会い出来るのをとても楽しみにしておりましたが、
次の機会がありましたら、是非お会いしたいと思います。
素晴らしい講演になりますことを、お祈り申し上げます。
Posted by ずんずん at 2010年09月25日 10:51
ずんずんさん、講演をされるとのこと、がんばってくださいね。
shimo-chanさんもごていねいに欠席のおしらせをいただき恐縮です。
お二人とも、また機会がありましたらお会いしましょう。
Posted by 窓からお猿 at 2010年09月25日 21:30
窓からお猿 様
更なるコメント、恐縮です。
楽しい講演であったことでしょうね。
想像をむくむくと膨らませてしまいます。
私の方は、何とか終えることができました。
時間をオーバーしてしまい、うまく内容をまとめて話すという、
今後の課題をいただき、勉強になりました。

窓からお猿様のお話を聞ける機会というのは、今回以外にないのでしょうか。
学外からの聴講制度などは、なかなかないでしょうね。
もしありましたら、教えていただけると嬉しいです。
とにかく、今後とも宜しくお願い致します。
Posted by ずんずん at 2010年09月27日 20:11
ずんずんさん
時間をオーバーするというのはいい傾向ですね。本当に話が苦手な人は時間がもたないものです。話す内容を精選し、時間配分を予め設定しておくことによって、次回はうまく話せるのではないでしょうか。
私のほうは、思ったよりもお客さんが多く、オープンキャンパスにきた高校生以外に一般の方も数名みえていました。
今回のためにパワーポイントでスライドを作ったので、これを利用してまたどこかで話をしたいと思っています。今のところ予定は入っていませんが、お越しいただける機会があればまたご案内しますね。
Posted by 窓からお猿 at 2010年09月27日 20:38
窓からお猿 様
ちょうど、オープンキャンパス中だったんですね。
平成生まれの高校生にしてみたら、眼から鱗の内容だったかもしれませんね。
でもそれがきっかけで、ものを見る視野が広がれば、彼等の財産となることでしょう。
また機会がありましたら、お知らせ下さい。
宜しくお願い致します。
Posted by ずんずん at 2010年09月28日 14:04
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