”おけそくさん”を買いに、新烏丸二条上ルの「松彌」さんに行ってきました。
”おけそくさん”というのは、お仏壇など仏前に供えるお餅のことで、
大きさにして直径5cm程のかわいい小餅です。
実家がおんなじ町内だった松彌さんには、
おけそくさんを買いに、小っちゃい頃からよくお使いに行っていました。
懐かしいお店です。
昔は小銭を握り締めて、ほんの50mほどを、
「おけそくさん四つ、おけそくさん四つ・・・・」と、おまじないの様に呟きながら、
松彌さんまで歩いて行ったことを思い出します。
お駄賃に、おまんをもらったりしていましたが、
考えると、おけそくさんよりも、おまんの方が高かったりしたのかと思います。
でも本人は、ちゃんとお遣いが出来た褒美と、嬉しかったのを覚えています。
それから、もう何十年も経って、その後に大津に引っ越して、
それ以来、松彌さんに行っていなかったのです。
大分と以前になりますが、松彌さんに聞いたお話です。
松彌さんに”おけそくさん”を、初めて買いに来られたお客さんがおられたそうです。
その方は、「おけそくさん、ありますか?」と尋ねられたそうです。
必要な数をご用意し、お客さんにおけそくさんを渡された後、
こう、お話になったそうです。
「おけそくさんは、お仏壇に毎日お供えしていただけるように、いつでも作ってご用意しています。」
「これらからは、おけそくさん下さい、とお申し出いただいたらいいですよ。」と。
この話を、久々に思い出し、心にジワーっと懐かしい気持ちが染み渡りました。
もう一つ、嬉しかったのは、松彌さんの「ふく」が元気だったことです。
「ふく」というのは、柴犬のオスで、聞くと、もう15歳。
人間にしたら、90歳を超えてるでしょう。
毛の色艶もよく、なかなかの男前爺さんぶりでした。
いつも、店先を通り過ぎる人や車を、しずかに眺めていて、
今まで、「ふく」が吠えたのを、ほとんど見たことがありません。
さすが、血統を受け継ぐ、本当の柴犬です。
まだまだ元気でいて欲しいです。
■ 松 彌(まつや)
京都市中京区新烏丸通二条上ル橘柳町