”おけそくさん”の買いもん

ずんずん

2009年06月20日 18:55

”おけそくさん”を買いに、新烏丸二条上ルの「松彌」さんに行ってきました。

”おけそくさん”というのは、お仏壇など仏前に供えるお餅のことで、

大きさにして直径5cm程のかわいい小餅です。




実家がおんなじ町内だった松彌さんには、

おけそくさんを買いに、小っちゃい頃からよくお使いに行っていました。

懐かしいお店です。

昔は小銭を握り締めて、ほんの50mほどを、

「おけそくさん四つ、おけそくさん四つ・・・・」と、おまじないの様に呟きながら、

松彌さんまで歩いて行ったことを思い出します。

お駄賃に、おまんをもらったりしていましたが、

考えると、おけそくさんよりも、おまんの方が高かったりしたのかと思います。

でも本人は、ちゃんとお遣いが出来た褒美と、嬉しかったのを覚えています。

それから、もう何十年も経って、その後に大津に引っ越して、

それ以来、松彌さんに行っていなかったのです。



大分と以前になりますが、松彌さんに聞いたお話です。

松彌さんに”おけそくさん”を、初めて買いに来られたお客さんがおられたそうです。

その方は、「おけそくさん、ありますか?」と尋ねられたそうです。

必要な数をご用意し、お客さんにおけそくさんを渡された後、

こう、お話になったそうです。

「おけそくさんは、お仏壇に毎日お供えしていただけるように、いつでも作ってご用意しています。」

「これらからは、おけそくさん下さい、とお申し出いただいたらいいですよ。」と。

この話を、久々に思い出し、心にジワーっと懐かしい気持ちが染み渡りました。



もう一つ、嬉しかったのは、松彌さんの「ふく」が元気だったことです。

「ふく」というのは、柴犬のオスで、聞くと、もう15歳。

人間にしたら、90歳を超えてるでしょう。

毛の色艶もよく、なかなかの男前爺さんぶりでした。

いつも、店先を通り過ぎる人や車を、しずかに眺めていて、

今まで、「ふく」が吠えたのを、ほとんど見たことがありません。

さすが、血統を受け継ぐ、本当の柴犬です。

まだまだ元気でいて欲しいです。


■ 松 彌(まつや)
京都市中京区新烏丸通二条上ル橘柳町


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