CATEGORY:自然
2011年04月08日
真宗興正派本山・興正寺の桜

4月2日の昼前、徒歩で京都駅から七条大宮まで向かっていた。
待ち合わせの時間に早く着きそうなので、ちょっと遠回りして北小路通を抜けて大宮に出てやろうと思いついた。
北小路通は七条通の一筋北の東西の通り。
七条通という大通りの裏にあって目立たない通りなのだが、歩けばなかなか面白い。
仏具店が軒を連ね、仁丹町名表示板の密集地帯であることもわかる。
その北小路通を、堀川通からさらに西進するには、
興正寺と西本願寺の境に建つ北小路門という小振りの門をくぐることになる。
一見、お寺の中に入る感じなのだが、れっきとした通りである。しかし、夜間は門が閉ざされ通り抜けることはできない。
江戸期以前の京都市中には、木戸や門が沢山あって、通りといえども、夜間は自由に通り抜けることができなかった。
その名残をとどめているようである。
その門をくぐって、西本願寺の豪華絢爛な国宝唐門の前を横切りながら、
龍谷大学の大宮学舎の重要文化財群を眺めて、大宮通まで通り抜けられる。
自動車の騒音からはしばし離れて、ゆっくりと景色を楽しみながら歩こうと目論んだのだ。
そうこうして、北小路門の前までやってきたところ、門が閉まっていた。
門か壁かの改修中なのだろうか、通り抜けができないので閉められているようだった。
仕方なく歩を戻して七条から行こうとした時、興正寺の阿弥陀堂門が目に入った。
そうだ、興正寺の境内を抜けて七条大宮まで歩くルートが頭に浮かんだ。
門をくぐって、境内に敷き詰められた玉砂利をざくざくと音を立てて進んでゆく。
右手には、なんとも重厚な造りの経蔵が建ち、その背後には西本願寺の飛雲閣の南面を望むことができた。
そのまま南西方向へ斜めに境内を進んで行くと、すぐに七条通が見えてきた。
境内から、もう通りに出ようかというその間際、ふと御影堂の裏側に目が行った。
そこには、ちらほらと咲き始めた桜の大木が、枝を大きく伸ばしていた。
時計を見ると、まだまだ時間に余裕がある。
おもむろにカメラを取り出して、しばらく桜の撮影に集中してしまった。

■真宗興正派 本山興正寺 京都市下京区堀川通七条上ル